飛沫と付き合いはじめたころ、あたし、きいたよね。あたしは今まで色んな男たちと寝てきたし、それはそれで楽しかったから後悔はしてないけど、でもこの辺の男たちはもう誰も本気であたしを相手にしようとはしない。あんたはそれでもいいの、って。あんた、なんて答えたか憶えてる?
男の1人も知らない女より、色んな男を知ってる女に選ばれたほうが光栄だ
恭子はにっこりほほえんだ
あたしもおんなじ。何にも知らない飛沫より、東京のことも知って、競うことも、負けることも知って、そんな飛沫の方がいい。
四回半を僕だけの枠にしたかったんだ
四回半なんて夢みたいな話だけど、でも、だからこそ超える価値があると思った。僕が決めて、僕が超える枠。だから誰にも邪魔されない。成功すればはっきりとわかるし、だれの目にも見える。そんなクリアな枠がほしかったんだよ。
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