スマホ脳

読んだ本

体を動かすと心が健康になるというのは、ただの始まりに過ぎない。
基本的にすべての知的能力が、運動によって機能を向上させるのだ。多くの人がストレスを受け、集中できず、デジタルな情報の洪水に溺れそうになっている今、運動はスマートな対抗策だ。
最善の方法と言っていいかもしれない。

体の状態がいい人は、ストレスシステムを事前に作動させる必要がない。脅威かもしれない対象を攻撃したり、逃げ出したりする体力があるからだ。それが不安の軽減につながる。

体を動かすとストレスへの耐性がつくし、現代では貴重品になった集中力を与えてくれるから、デジタルな時代を生き抜く助けにもなる。ただ問題は、運動量がどんどん減っていることだ。
今でも資料採集民として原始的な農耕社会に暮らす部族を調査すると、私たちの祖先は毎日1万4000歩から1万8000歩、歩いていたと思われる。今の私たちは1日5000歩にも満たない。
そしてその数字は10年ごとに減っている。

あらゆる運動が知能によい効果を与えるということだ。散歩、ヨガ、ランニング、筋トレ、どれも効果があった。運動によって一番改善されたのは、知能的な処理速度だ。運動をしていると頭の回転も
早くなるというわけだ。

心拍数を上げる運動が良い。とはいえただ散歩するだけでも驚くべき効果がある。
集中力を高めたければ、週に3回45分、できれば息が切れて汗もかくまで運動すると良い。

幸せな気分のホモ・サピエンスを生み出す選択圧はこれまで存在しなかった。その理由は簡単で、そういう人間が生き延びる勝算が高くなかったからだ。
強いものが生き延びるわけだが、肉体が強靭で、勇敢でストレスに強いだけでなく、事故や争いを避けられる能力も重要だった。不安や気分の落ち込みは生存の観点からすると喜びや心の平安よりも大事なものだったのだ。
こんなに恵まれているのに、なぜ精神状態が悪くなるんだろう、その答えは、自然が人間に続く幸福感を埋め込む価値を見出さなかったためだ。自然は私たちに一時的な幸せは与えてくれた。美味しいものを食べた時や友人と一緒にいるとき、セックスのとき、仕事で昇進したときなどに感じる幸福感だ。しかしこういったポジティブな感情はすぐにもっと食べたい。もっとセックスしたい。もっと出世したい。という欲求に変わってしまう。そこにはもっともな理由がある。引き続き行動に出られるようにするためだ。
今のような余裕のある環境に、自然はまだ人言を適応させられていない。だから私たちは不安を感じ、危険を探し続ける。本当はもうそんなことをする必要はないのに。

ここまで読んであなたはがっかりしただろうか。実際には必然的に不幸になると決められているわけではない。ほとんど全員が元気になれるようなコツがいくつかある。
睡眠を優先し、身体をよく動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分をさらし、スマホの使用を制限すること。個人的にはもっと多くの人が心の不調を予防することが解決策だと思っている。

行動すること

・スマホでなく腕時計を有効活用する。
・スマホの表示をモノクロにする。
・ライン等をチェックする時間を12時と決める。(緊急は除く)
・友人と会っているときはスマホはあまり使わない。一緒にいる相手に集中する。
・ベットに入る1時間前は電子機器は使用しない。
・運動を週に3回、45分。できれば息がきれて汗もかく運動。

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